羅臼に来た白いシャチについて専門家に聞いてみたときのお話。周期は?アルビノなの?

2019年の5月を皮切りに、同年7月、2021年7月(2頭)、2023年5月と4度にわたり、羅臼沖(根室海峡)に姿を現している白いシャチ。
世界的にもまだ20例ほどしか確認されていないというとても希少な生き物である。
2019年5月に出現した個体と2023年5月に出現した個体が同一、また、2019年7月に出現した個体と2021年7月に出現した片方の個体が同一という見解が出されている。
2021年7月に世界で初めて複数等の白いシャチが確認されたとき、日本のシャチ研究の権威でもある東海大学の大泉宏教授に連絡を取ってみたのです。

※画像をクリックすると拡大表示されます。

日頃から研究に携わっていない者であっても、このように関与することができ喜びを感じました。
それからしばらくして、再び大泉教授より連絡がありました。

学会におけるシンポジウム(2022年日本哺乳類学会 )にて、小林が撮影した写真が活用されるというものでした。

「東海大学 キャンパスニュース 海洋生物学科の大泉教授が日本哺乳類学会公開シンポジウムで講演しました」より引用

こちらが実際の公開シンポジウムでの一コマ。
このような報を受けて、素人小林でもこんなことを考え当時綴っていました。
※以下は、2021年9月6日にメディアプラットフォームnoteに小林が書いたものから抜粋。

2021年のときに観察された群れではありませんが、2023年5月にも白いシャチが確認されました。
同じ群れではないものの、定期的に回遊してくるという予想が的中ということでよろしいでしょうか・・・笑

このときの個体Aは2019年5月に観察されたものと同一個体。4年ぶり2度目。
学会にて発表された2021年7月の個体のうち片方(個体B)が2019年7月に観察されたものと同一個体。2年ぶり2度目。
個体Cについて大泉教授は「子ども」と言及していました。
もしかすると、個体Aや個体Bの遺伝子を持つのだろうか。それとも、共通の母親を持っているのだろうか。
この辺の話は、DNA鑑定などを行わない限り憶測の域を超えませんが、なんとも夢のある話です。

個体A個体B個体C
2019年5月
2019年7月
2021年7月
2023年5月
2025年7月?○?○?

2021年7月に出現した白いシャチについては、TVや新聞などさまざまなメディアで取り上げられ、多くの方からの関心を集めたのです。
そのときに多く話されていたのが「アルビノのシャチだ」ということ。
白い=アルビノ
という認識は間違いないのですが、可能性としては他のパターンも。
その他のパターンというのが「白変種」というものです。

メラニン(黒色の色素)特徴
アルビノメラニンを作り出すことができない。
遺伝情報の欠損により生まれつきメラニンが欠乏する遺伝子疾患。
毛細血管が透けて目が赤色に見える。
白変種メラニンを作り出すことはできるが、色素が少ない。体が部分的に黒さが残る。

その点も疑問に思いこの写真のとある部分について話してみました。

白いシャチの目の部分を拡大したもの。小林は「目が黒く見える」と思い投げかけてみました。
それに対しての答えは「目が黒いようにも見えるけど、これだけでは不鮮明。限りなく白変種のような気もするが、これだけではアルビノを完全に否定することはできない」とのこと。
迂闊にも「そうだね。白変種だね」と返されるのではなく、「根拠が乏しいから明言はできない」という研究者の凄みを感じさせてもらうことができました。
さぁ、次は来るのか?次来るとしたらいつなのか?
DNAの解析などが進んでいくと嬉しいのですがどうなっていくのか・・・。

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