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北海道の屋根・大雪山とは
北海道最高峰をはじめ標高2000m級の山々が連なる大雪山。
1934年に指定された、日本最大級の国立公園で、その面積は札幌市の2倍、千歳市の4倍ほどにも及びます。
短い夏と、高い木々が育たない厳しい自然環境が特徴です。
高山植物の宝庫と危機
大雪山は365種もの高山植物が生育する「お花畑の絶景地」。その中には多くの固有種も含まれます。夏の短い期間に咲き誇る花々は、多くの人々に感動を与えてきました。
しかし、大雪山の高山帯では世界平均の約4倍の温度上昇が記録されており、「今世紀中に高山植生が消滅する可能性がある」とも言われています。
問題は複雑化
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気温上昇と雪解けの早まりにより、湿潤環境を好む植物が衰退。代わりにイネ科やササなどの植物が侵入し、もともと生えていた高山植物の生育を妨げています。
それだけではなく、高山植物の約半数は、マルハナバチによる受粉に依存。しかし、暑さに弱いマルハナバチの活動は気温上昇により減少傾向にあり、さらに花の開花時期とのずれも生じ、受粉の成功率が下がり、繁殖が減少しているという問題も。
高山植物が減るだけではない
高山植物が失われれば、美しいお花畑が見られなくなるのはもちろん。
それだけでなく、それを食べて命を繋ぐナキウサギなどの他の生き物も影響を受け、生態系全体の崩壊につながることが危惧されています。
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今後の対策
これまでの「なるべく自然のままに残す」という方針から、「積極的に人の手を加えて保存していく」方針への転換が必要になってきている。
気候の変化という、人間の直接的な開発とは異なる新たな脅威に対応するための試行が始まっています。
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