「見て、撮って、満足していた」
ー でも、知床はそれだけじゃ済まなかった
2021年6月14日。
世界自然遺産・知床の峠道。私たちは、道路に散乱するゴミと、そのすぐそばにいたヒグマを見た。ヒグマは、我々の存在など意に介さず、ゴミに近づいていった。
その姿は、人が放置したものによって、野生が静かに壊されていく瞬間だった。私たちは、写真を撮るだけでは守れない現実に直面した。
あの日からずっと、問い続けてきた
「ただ観察して、ただ撮って、満足するだけでいいのか?」
この問いが、頭から離れることはありませんでした。
自然を“鑑賞”するだけの関係ではなく、少しでも“関わる”関係へ。
「何かできることはないのか」という答えが、
このノノオトという名での活動にたどり着いたのです。
